露出計の使い方

デジタルカメラに最適な露出プロファイル機能

フィルムと違いデジタルカメラは機種やソフトウェアによって再現性が変わってきます。露出プロファイル機能は、それぞれのデジタルカメラの再現可能な領域を露光域としてグラフ、数値化しプロファイルすることができます。
プロファイル化するには専用ソフトウェア「Data Transfer Software」(対応機種に同梱)を使い、下記の露出プロファイルの作成手順で作成します。プロファイル化された露光域はデジタルカメラのダイナミックレンジとして露出計に転送することで測定した露出が露光域かどうか確認し、露出決定の判断材料として活用することができます。セコニック露出計の中でL-858DとL-758シリーズまたL-478シリーズが露出プロファイル機能に対応しており、最もデジタルカメラと親和性が高いモデルになっています。
また、Data Transfer Software ver3.0以降ではシネコマ、シャッター開角度に対応しデジタルカメラだけではなくシネカメラの露出プロファイルも作成することができます。



  • 露光域が狭いカメラ

  • 露光域が中間のカメラ

  • 露光域が広いカメラ

  • 露出プロファイルのグラフデータ
露出プロファイルの作成

  • 【STEP.1】 ご使用のデジタルカメラ、レンズを使用して別売りの露出プロファイルターゲット(別売)もしくは露出プロファイルターゲットⅡ(別売)をテスト撮影します。
    Data Transfer Software Ver5.0以降では、X-Rite社のColorCheckerの他にDatacolor社のSpyderCHECKR24/48にも対応しました。ターゲットを3回撮影するだけで露出プロファイルを作成することができます。

  • 【STEP.2】 撮影した画像をData Transfer Softwareに取り込みます。データがRAWデータの場合はTIFFかJPEGに変換してから取り込みます。ISO感度など必要な撮影データを入力すればData Transfer Software上でカメラのダイナミックレンジのグラフや表示補正値を自動計算します。複数のカメラのデータが作成できるので名前を決めてプロファイルデータを保存します。

  • 【STEP.3】 PCと露出計をUSBケーブルでつなぎプロファイルデータを露出計に転送します。L-858DとL-478シリーズで最大10台、またL-758シリーズで最大3台までのプロファイルデータを露出計本体にメモリーし、スケール上で表示することができます。また、Data Transfer Softwareは露出プロファイルの作成や露出計へのデータ転送以外にも露出計のカスタムセッティングの変更やファームウェアのバージョンアップを行えます。
露出プロファイルの活用

  • 内蔵露出計のみで撮影。逆光の影響で露出バランスが悪く、バックが白飛びし、被写体のケーキとフルーツがアンダー目に映っています。作例のような、輝度差の大きな撮影条件では、正確にダイナミックレンジを把握していないとハイライトやシャドーが思い通りに再現できません。

  • 露出プロファイル機能を使って露出を測定。スケールで再現領域をチェックしながら露出測定します。結果、手前から補助光としてフラッシュを使い、設定されている露出プロファイルのダイナミックレンジ内になるようにライティングして撮影。ハイライトからシャドーまできちんと再現されています。
露出プロファイル+入射光測定+スポット測光で光を自由に操る
  • 入射測定とスポット測光を組み合わせることで露出プロファイルを完全に使いこなすことができます。入射光測定で基準となる露出をミッドトーンとして設定し、スポット測光で構図の中のハイライト、シャドーなど気になる個所の露出を測定していきます。メモリー機能を使えば測定値をダイナミックレンジのスケール上に表示できるため、どの測定値がダイナミックレンジ外となっていてミッドトーンとの露出差がいくつになっているか等、露出の状態を一目で把握することができます。
・X-Rite、ColorCheckerは、米国およびその他の国におけるX-Rite社の登録商標です。
・Datacolor、SpyderCHECKRはDatacolor社の登録商標です。