スポット測光について

光を自由にコントロールできるスポット測光

スポット測光は反射光測定の測定方法のひとつです。遠景の撮影やネオンのような発光体など入射光測定できない被写体に利用します。
スポット測光はカメラ内蔵露出計と違い受光角度を5゜以下と極めて狭い範囲を測定することができるので、自分の狙った箇所の露出を的確に測ることができます。但し、反射率18%の被写体を基準とするため18%以外の被写体を測定する場合は測定値に露出補正が必要になります。被写体の色によっても反射率は変わりますので使いこなすにはある程度の知識と経験が必要ですが、スポット測光を使いこなせるようになると光を自由にコントロールして意図した露出で思い通りに表現することができます。


  • 【反射率18%のグレー】
  • 【色と反射率と露出補正】
スポット測光が可能なL-858D、L-758シリーズ、L-478D

L-858D、L758シリーズ、L-478Dでスポット測光を行うことができます。L-858D、L-758は内臓ビューファインダーを使って1゜のスポット測光、L-478Dはオプションのビューファインダー5゜を受光部に取り付けて5゜のスポット測光が可能。スポット測光時はビューファインダー内に表示されているエリアのみ測光しているので、意図したエリアの露出地の測定や被写体の輝度差(ハイライトからシャドーまで)を見るのに最適です。


【スポット測光の受光角度】


  • 【L-858Dでのスポット測光】
  • 【L-478Dでのスポット測光】
実際にスポット測光を使ってみる

  • 【内蔵露出計のみ】
    カメラの内臓露出計だけで撮影するとバックの空と雪の影響を受けて全体的に露出がアンダーとなり、シャドー部の再現性が犠牲になっている。

  • 【5゜スポット測光】
    5゜という比較的広い受光角度のL-478Dを使って○部分をスポット測光。広めな測定範囲を活かし反射率18%近辺のポイント(葉の緑色)を測定し撮影。適正露出になっている。
1゜スポットを使って緻密にイメージをコントロール

L-858D、L-758シリーズの1゜スポット測光を使うことでピンポイントでの露出測定が可能となります。入射光測定と併用することで基準となる測定値との露出差を把握することができ、写真全体のイメージコントロールが可能になります。


  • 【入射光測定のみ】
    門の前の木の前で測定
    (F:4.0、T:1/250s、ISO50)
  • 【スポット測定のみ】
    門の柱(赤丸)を測定し、そのままの値で撮影
    (F:4.0、T:1/80s、ISO50)
  • 【入射光測定+スポット測光】
    シャドーで門の柱がもう少し再現されるよう、1段階補正した値で撮影
    (F:4.0、T:1/160s、ISO50)
メモリー機能&アベレージ機能を使いこなす

狙ったエリアの露出測定ができるスポット測光を有効に活用する機能がメモリー機能です。L-858D、L-758シリーズ、L-478Dも最大9点まで測定値をメモリーすることができ、メモリーした測定値は各露出計のスケール上に表示され、各測定値の露出差を把握するときに便利です。また、メモリーした測定値の平均露出を表示するアベレージ機能も備わっています。